高校サッカーで何が起こっているのか。選手権に初出場はわずか2校。常連、強豪を破ってつかんだ取り組み (4ページ目)

  • 森田将義●取材・文 text by Morita Masayoshi

 ベスト4で終わったインターハイ予選以降は、勝ちきれるチームへの変貌を目指し、ゴール前の崩しにこだわった。また、コロナ禍で夏休みの対外試合が制限されたこともプラスに働いた。「逆にトレーニングする時間がすごく多かったのはよかった。この子どもたちの代に関しては、ボール保持とかビルドアップに関していろいろな部分でいろいろな方法をやれるようになってきた」(芦田監督)。

 試合が少なかったため、ケガ人が一人も出ず、予選に挑めたのも好都合。他校よりも選手権予選の雰囲気を知る選手も多く、今年は安定した試合運びを見せて、初出場までたどり着いた。

「全国大会に出て『長野県にもこういうサッカーするチームがあるんだぞ』というのを全国に広めたい」。予選準決勝時に尾崎が話していたとおり、格好のチャンスが訪れた。多くの人から注目を集める選手権の舞台は、チーム名とスタイルを多くの人に知ってもらう機会でもある。

 市立長野のスタイルに魅了され、入学を決めた自分たちと同じように子どもたちを魅了するサッカーができれば、1度きりの出場で終わらず、常連校、強豪校へと駆け上がっていけるはずだ。

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