サッカー通・平畠啓史さんが、今季J2で好きになった「語らずにはいられない」選手16人 (2ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Getty Images

【センターバック】

 大井健太郎選手(磐田)は外せないかなと。存在感、安定感、対人もまだ全然衰えがない。セットプレーで前線に上がって行った時の存在感。今季2点決めていますが、大井選手が上がると決まりそうな雰囲気が出るじゃないですか。あれってすごく大事だと思うんです。本当に決めるかどうかも大事ですけど、スタジアムも何か起こるぞ、相手のディフェンスも何かやばいぞという空気になりますよね。

 京都サンガF.C.のヨルディ・バイス選手は、闘将な感じがすごく出てる。1人でも「よっしゃ、守ってやらあ」みたいなところ。でも隙を見て上がっていって、いつの間にかピーター・ウタカ選手の近所にもいる(笑)。ウタカ選手とバイス選手は、この監督のためにやったるぞという感じがすごく出ていますよね。

 あとはロングフィードですね。この人の持ち味です。そこからウタカ選手が抜け出したシーンを何度も見ています。あのキックを見るだけでも、すごく価値があるんじゃないかなって思います。

 V・ファーレン長崎の江川湧清選手もいいですよね。めちゃくちゃいいです。まだ21歳。昨年はサイドバック(SB)でしたが、今年はセンターバック(CB)で使われました。左足のすばらしさは左SBの時からわかっていましたけど、対人も強いですね。松田浩監督の眼力のすごさもあると思います。僕のなかで今シーズンのCBのなかではすごいヒットで、これからがすごく楽しみです。

【サイドバック】

 SBは、磐田の鈴木雄斗選手と、長崎の毎熊晟矢選手。この2人は絶対に挙げておかないといけません。鈴木選手は技術もめちゃくちゃあるんですが、本当に力強い。そしてなんか男臭い。『俺テクニックあるんですよ』みたいな軽いテクニックじゃなくて、『おらー、どうじゃ!』っていう男臭い感じが、僕は大好きですね。

 毎熊選手は確実に自身のSBの形を作り出しています。元FWだけに、攻撃に加わった時の技術の高さとか。また、この選手のいいところはやりきるところで、シュートでも、クロスでも、中途半端に終わらない。そしてちゃんと守備もしっかりできる。

 毎熊選手が大卒2年目で、ボランチの鍬先祐弥選手が大卒1年目。長崎がすばらしいなと思うのは、毎熊選手も鍬先選手も短い期間で顔がものすごく大人になっていったことです。最初は大卒ルーキーの顔なんですけど、すぐにみんな責任感のある大人のいい顔になっていく。人間としてもしっかりしているんだろうなと感じます。

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