J2地力残留も見えた。降格有力候補だったSC相模原がここまで奮闘できたわけ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by J.LEAGUE/J.LEAGUE via Getty Images

 SC相模原が、J2残留に大きく近づいている。

 J2第41節、相模原はホームで松本山雅FCと対戦し、1-1で引き分けた。

 0-0で迎えた後半ロスタイム突入直前、途中出場のMF児玉駿斗がFKからのこぼれ球を押し込んで、相模原が先制。劇的勝利かと思われた試合は、ロスタイムにFKからのオウンゴールで追いつかれ、勝ち点2を失う結果となった。

 相模原を率いる高木琢也監督は「勝負の厳しさを感じた」と、惜しい引き分けを振り返っていたが、この結果により、最下位・松本のJ3降格が決定。相模原は残留争いのライバルに引導を渡す一方で、自らはJ2残留に十分な可能性を残した。

 順位のうえではJ3降格圏の19位ではあるが、今季最終節となる次節で自力での逆転残留が可能な位置につけている。

松本山雅FCに引き分けて、残留へ一歩前進したSC相模原松本山雅FCに引き分けて、残留へ一歩前進したSC相模原この記事に関連する写真を見る 時間を今季開幕前に巻き戻せば、相模原の評価はお世辞にも高いものではなかった。

 今季J2初昇格を果たしたばかりの相模原は、昨季J3の2位。いわば、J2最下位からのスタートだったのだから、無理もない。

 有り体に言えば、J3降格の有力候補だったわけだ。

 開幕戦からの10試合を2勝4敗4分けでしのぎ、J2残留圏となる18位以上を概ねキープし続けたことは、大健闘のスタートだったと言っていいのだろう。

 だが、第10節の勝利を最後に11試合連続で勝利から遠ざかり、J3降格圏に転落。以降は最下位がほぼ指定席となった。フロントの動きは早く、第16節を最後に三浦文丈監督を解任し、新たに高木監督が指揮を執ってはいたが、すぐに状況が好転することはなかった。

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