徳島ヴォルティスが土俵際で残った理由。「ボールを持つ」を捨てなかった (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「首の皮一枚でつながりました。ラスト1試合は、とにかく出し切る。それが大事だと思っています」(徳島・岸本武流)

 徳島は危うさを潜ませながらも、「ボールを持つ」というサッカーを捨てなかった。おかげでジャブを打つように相手の足を止め、クリーンヒットでダウンを奪い、凱歌をあげた。最終節はサンフレッチェ広島とのホーム戦だが、戦いの中で勝ち筋を見つけ、勝ち点3を獲得するしかない。彼らの場合、負け=降格だ。

 一方、敗れた湘南は敵地でガンバ大阪と対戦する。彼らはたとえ負けても、徳島が負ければ残留できる。だが、少しでも腰が引けるとずるずると崩れるだろう。ここまで来たら心理戦だ。

「原点に立ち返ってプレーしないと、と思っています。これまでもチームは逆境を乗り越えてきて、リバウンドメンタリティはあるので。もう一回、ひとつにまとまってベルマーレらしく......」(湘南・岡本拓也)

 攻守に激しく戦う「湘南スタイル」を再起動できるか。

 ちなみに清水は本拠地でセレッソ大阪と対戦する。12月4日、生き残りを懸けた最終決戦はすべて14時キックオフだ。

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