「誰々が抜けたから」と言わせなかった川崎フロンターレの優勝。昨季とも違う歴史的な強さを見せつけた

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 川崎フロンターレが2度目のJ1連覇を達成した。

 これで、通算4度目の優勝。それはすべて、鬼木達監督が率いた最近5年でのことなのだから、世はまさに「フロンターレ時代」である。

J1連覇を達成した「常勝」川崎フロンターレJ1連覇を達成した「常勝」川崎フロンターレこの記事に関連する写真を見る なかでも今季は、川崎が歴史的強さを見せつけた特別なシーズンだったと言ってもいい。

 いきなりの開幕5連勝でスタートダッシュに成功すると、その後は首位を独走。5月に入る頃には、早くも優勝争いを退屈なものにしてしまった。

 優勝が決まった第34節までの成績は、実に26勝1敗7分け。負けはわずかに1試合あっただけだ。

 リーグ戦だけではない。

 AFCチャンピオンズリーグでも、グルーリーグは8戦全勝。続く決勝トーナメント1回戦で惜しくも敗退となったが、その試合も0-0からのPK戦決着によるもので、公式記録上は引き分けだ。

 ルヴァンカップも準々決勝敗退に終わってはいるが、決着はアウェーゴールルールによるもので、試合の結果自体は2戦2分けである。

 つまり今季の川崎は、現在準決勝まで勝ち残っている天皇杯も含め、すべての公式戦を通じて1敗しか喫していない。にわかには信じがたいほどの、驚異的な好成績である。

 天皇杯2、3回戦で、いずれも格下の長野パルセイロ(J3)、ジェフユナイテッド千葉(J2)に1-1からのPK戦で勝ち上がっていることが、珍現象として逆に際立つ。

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