清水エスパルス、崖っぷち。激戦のJ1残留争いから抜け出すことができるか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 残留争いをするチームにとって、最高の良薬が勝ち点であることは言うまでもない。どんなに内容がよくても、負けは負け。敗戦から多くの収穫を見いだすのは難しいのかもしれない。

 しかし、忘れてならないのは、清水は第33節終了現在、降格圏となる17位とは勝ち点2差の15位につけているということだ。「勝ち続けていけば、降格圏に入ることはない」(井林)のである。

 さすがに、すべて勝ち続けるのは現実的な目標ではないとしても、勝ち点2というアドバンテージを生かすという発想は持っているべきものだ。

 当然、玉砕覚悟で勝ち点3を狙いにいく必要はない。まずは守備を安定させ、取れる勝ち点を確実に拾っていく。そんな落ち着いた戦い方が、残り5試合で求められる。

 それを考えれば、清水が首位の川崎を相手に得た手応えは、決して小さなものではなかったのではないだろうか。

 ロティーナらしい守備がこのまま機能し続けるならば、残り5試合、清水にとってJ1残留はそれほど難しいタスクではないはずである。

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