J1残留サバイバルは最下位からの逆転も可能。「降格4枠」から抜け出すチームは? (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 リーグ戦再開後の9試合で最も勝ち点を上積みしたのは、4勝2分3敗で14ポイントを稼いだ柏(13位)だ。第26節から3連勝を達成するなど、前半戦の不振を完全に払拭。その後の3試合で結果を出せていないのは気がかりながら、残留に向けて着実に前進していると言える。

 柏に次ぐのは、11ポイントを上積みした横浜FC(20位)だ。中断前までにわずか2勝しか挙げられなかったチームは、今夏の積極補強で好転のきっかけを見出した。第27節からの3連敗で再び窮地に追い込まれたが、その後に横浜FMに引き分け、第31節では鹿島アントラーズを撃破するなど、残留への希望をつないでいる。

 9ポイントの清水(15位)と徳島(16位)がそれに続き、大分(18位)は8ポイント、G大阪(14位)は7ポイントにとどまった。さらに苦しいのは湘南(17位)と仙台(19位)で、両チームともに1勝3分5敗と9試合で6ポイントしか手にすることができなかった。

 浮上の兆しを見せるチームもあれば、さらなる苦境に陥ったチームもある。その状態の差が、残り試合に色濃く反映される可能性は高い。

 ふたつ目のポイントは、残り試合の対戦カードだ。

 カギを握るのは、残留争いの当事者同士の直接対決。そして、上位陣との対戦だ。直接対決はまさに生死をかけたサバイバルマッチとなり、苦戦が予想される上位チームとの対戦も、できることなら避けたいところ。このふたつの試合の数が多いチームは、過酷な終盤戦となるだろう。

 なお、ここで言う上位陣とは、優勝争いとACL出場権(プレーオフ出場を含めればリーグ戦3位以内)争いを演じるチームとした。現在3位のヴィッセル神戸の勝ち点は57。逆転可能なポイントが7であることを踏まえ、勝ち点51で7位のサガン鳥栖までを上位陣と定義する。

 最も恵まれているのは清水だ。残留争いの直接対決は1試合のみで、上位陣との対戦も2試合と少ない。残り4試合はACL出場争いにも残留争いにも関わらない、いわゆる中位のチームとの対戦となる。

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