中村憲剛&佐藤寿人が目指す指導者論。「最終的には自分の素のところが出るんだろうな」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 キャリアの後半で、若い選手たちにアドバイスをしながらやってきたなかで、プロになってからではなく、育成年代からアプローチできるのではないかなと感じた部分もありました。今はフロンターレの育成にも不定期で顔を出していますけど、彼らは変わっていくスピードが速いです。

---- 世界に目を向けると、バイエルンのユリアン・ナーゲルスマン(34歳)をはじめ、若い監督も出てきていますね。

佐藤 ヨーロッパのほうが、監督の年齢層が低いですよね。キャリアを終えて5年以内で監督になっているケースも多い。

中村 ライセンスを何とか取らせてもらえませんか!

佐藤 そうなんですよね。取らないと、なれないですからね。

中村 いや、もちろんしっかりと学ばないといけないのは間違いないです。選手時代の経験値だけでは指導するのは難しいですし、実際に今勉強しているなかで、現役時代には知れなかったいろんな知識も入ってきています。ただ、もうちょっと柔軟にしてくれるといいかなと(笑)。みんなが前向きに取れるような仕組みがほしい......。

佐藤 取れる仕組みを作ってくれて、行くか行かないかは選手が選べればいい。今はB級までは行けますけど、A級、S級までは行けないですからね。その仕組みはそろそろ必要ですよ。今はオンラインでもできますから。

中村 指導者を増やすのは、日本サッカーの未来を考えても大事なことだと思います。長く現役をやりすぎた俺らが悪いんだけどね(苦笑)。

佐藤 森保さんは35歳で引退して、43歳の時に監督になって、いきなり初優勝ですからね。僕は今39歳だから、もうすぐその年に近づくんですよ。S級が一番早く取れるタイミングが42歳。それから経験値を高めないといけないから、監督になれるのはいつのことやら。

中村 S級が取れるのは、早くて43歳か。引退が遅くなればなるほど、監督は遠ざかってしまうな......。

佐藤 ヨーロッパでは、僕らの世代が監督になっていますよね。

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