セルティックの先輩・中村俊輔が古橋亨梧に助言。「もっとプレーしやすくなる」と考えた理由とは? (3ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by AFLO

「向こうの人から比べられるのは、嫌な感じではないんだよね。むしろ、光栄に感じていた。古橋君に対して、俺の名前が出てくることはもうないと思う。だって、次はラーションだから(笑)。

 そもそも俺とはポジションもプレースタイルも違うし。古橋君に求められるのは得点数だし、チームの中でそういう道は見えたと思う。だから、これからはもっとプレーしやすくなると思うよ」

 チーム再建を託されたポステコグルー監督は、セルティックで4−2−3−1を採用している。170cmの古橋は1トップに入るなか、屈強なDF陣を相手にどうすれば持ち味を発揮できるのか。今もセルティックの試合を視聴している中村には、古橋の生きる道が見えている。

「これまでの試合で、古橋君の特徴を周りがわかったと思う。サイドからのクロスはポステコが狙っていることだし、そこから点をとるのは古橋君がもともと持っている能力。

 ポステコの存在は大きいと思う。セルティックの選手たちより、古橋君のほうがポステコのことをよく知っていると思うしね。周りの選手がこれからポステコのサッカーに慣れていって、新しい選手が移籍で入ってきたりして、もっといい環境になっていくと思う」

 新監督が目指すサッカーを実現するため、古橋はセルティックに迎え入れられた。プレースタイルを熟知する指揮官の下ですぐにフィットし、公式戦5試合目のハーツ戦では全得点に絡んでいる。

 新たにやってきた日本人スターの活躍に地元メディアは盛り上がり、タブロイド紙『デイリーレコード』は8月15日、「2年以内に移籍金30万ポンド(約46億円)に跳ね上がる」と元北アイルランド代表MFパディー・マッコートのコメントを持ち出して報じた。ちなみにこれは『サンデイ・ポスト』紙の同日の記事を引用したもので、スコットランドではよくある手法だ。よくも悪くも、周りの期待がどんどん膨らむ仕組みになっている。

「あまり力を入れすぎないで、楽しみながら自分のプレーをして、と伝えた」

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