J1真夏の大量補強は吉と出るか。上位&残留争いで最も勝負に出たのは?

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 昨季はエイバル(スペイン)でプレーした武藤と、ドイツで9シーズンにわたって活躍した大迫は、周知のとおり日本を代表する実績十分のFWだ。これにボージャンが加わったことで、イニエスタ、セルジ・サンペールとともにバルセロナの下部組織出身トリオも結成された。

 もちろん、チームとしての当面の目標はACL復帰となる。だが、成績うんぬんを抜きにしても、サッカーファンにとっては見どころ満載の要必見チームになった。

 積極補強という点では、7位の浦和も負けていない。出入りの人数ではOUT(8人)が上回るが、その中身はIN(5人)が勝ると言える充実の補強だ。

 まず、ミッティラン(デンマーク)からドイツ人の両親を持つデンマーク人CBアレクサンダー・ショルツの獲得を発表すると、続いてマルセイユ(フランス)から日本代表SB酒井宏樹を補強して最終ラインを強化した。

 また、中盤に水戸ホーリーホックのMF平野佑一、前線には柏レイソルの日本代表FW江坂任、ノルウェーのスターベクからJリーグ未経験の長身FW木下康介を獲得するなど、個性豊かな面々がメンバーに加わった。すでに江坂、酒井、平野は新天地デビューを飾っており、後半戦は一気にアップグレードした陣容でACL出場圏内をうかがう構えだ。

 そのほかの上位陣では、ポルティモネンセ(ポルトガル)から安西幸輝が2年ぶりに復帰を果たした3位の鹿島も気になるところ。また、MF松岡大起(→清水エスパルス)とFW林大地(→シント・トロイデン/ベルギー)が退団した4位のサガン鳥栖は、鹿島から小泉慶と白崎凌兵(レンタル移籍)を、コンサドーレ札幌から岩崎悠人(レンタル移籍)をそれぞれ補強している。

 一方、J1残留を目指して大量補強を断行したのが、現在最下位の横浜FCだ。実に5人もの外国人選手が今夏に新加入している。

 とくに新守護神としてザンクトパウリから加わったU−24ドイツ代表GKスベンド・ブローダーセンは、東京五輪では控えに甘んじたものの、その実力は本物だ。Jデビュー戦となった名古屋グランパス戦(第23節)で決定機を阻止するなどチームの勝利に貢献し、続くベガルタ仙台戦(第24節)でもファインセーブを連発。ゴールレスドローに終わった試合でMVP級のハイパフォーマンスを見せた。

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