三笘薫と田中碧の抜けた穴はどうなる。20歳ウインガーが強烈なインパクト (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

 開幕から23試合無敗を続け、首位を独走してはいるものの、残りのシーズンを考えれば不安は小さくない。それが連覇を狙う川崎の現状ではないか。

 迎えたJ1第24節、川崎は柏レイソルの本拠地に乗り込んでいる。果たしてふたりの穴をどのように埋めていくのか。試合の焦点はそこにあった。

 川崎のフォーメーションは、これまでと変わらず4−3−3。田中の抜けたインサイドハーフを務めたのは、脇坂泰斗と旗手怜央のふたりだった。前者はこのポジションを主戦としているが、後者は今季ここまで複数ポジションをこなし、インサイドハーフよりも左SBでの出場機会のほうが多かった。したがって田中の代役と見られるのは旗手のほうだっただろう。

 ただしパサータイプの田中と、受け手タイプの旗手では、プレースタイルが大きく異なる。そのキャラクターの違いが、川崎のサッカーに変化を生じさせていた。

 柏がほとんど5バックのような布陣で守りを固めていたこともあったが、とりわけ前半は川崎のパスワークにいつものようなスムーズさが欠けていた。これが田中の不在の影響と結論づけるには早計ながら、パスがうまく回らずに手詰まり感は否めなかった。

 一方で旗手には、旗手のよさがある。間に割って入り、ゴールに向かう意識だ。この日、旗手は両チーム最多となる5本のシュートを放っている。CFのレアンドロ・ダミアンが頻繁にサイドに流れて中央のエリアを明け渡していたのも、旗手の得点力を引き出したい狙いがあったと思われる。

 もっとも、チャンスがありながらも不発に終わった旗手は、試合後に反省の弁を述べている。

「(田中)碧だったり(三笘)薫は、結果を残せる選手だったと思う。僕自身、あれだけシュートを打ったけど、枠には行っていない。そこは改善しないといけないところ。でも、そこまでいけているのはよくなっている部分なので、決め切るところをもっとこだわってやっていきたい」

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