J1リーグ再開!中村憲剛&佐藤寿人に聞いた「打倒フロンターレはどこ?」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

---- このままフロンターレが独走してしまう可能性も?

佐藤 夏場の戦いでは、もっと差が出てくるかもしれませんね。ボールを持てるし、当たり前のことを当たり前にこなせるので、イージーなミスが起こらない。夏場はそういうイージーなミスが堪えるんですよ。

中村 僕は今まで中(フロンターレ)にいた人間だったからわからなかったけど、引退して、仕事柄あらためてリーグ全体を見るようになりましたが、ほかのクラブよりも「基準」が高いんだなと感じました。パススピードもそうだし、ボールへの関わり方もそう。

 守備のところでも、切り替えが速いし、連動して周りも動いている。サッカーとして当たり前のことを当たり前にやれているのは、日常からの基準値が高いからなんでしょうね。

佐藤 止める・蹴るも高いレベルでできているんですけど、それ以上に身体の向きやボールが来る前の予備動作といった細かい動きも、見れば見るほど質が全然違いますから。

中村 後半戦はどうなるかわかりませんが、前半戦を総括すると、やっぱりフロンターレの強さが際立っていたのは間違いないでしょう。

◆なぜ日本はストライカーが育たないか。中村憲剛と佐藤寿人が真剣に考えた>>

---- リーグの盛り上がりを考えると、フロンターレが強すぎることに懸念する声もあります。混戦のほうが面白いと。一方で、混戦よりもリーグを牽引する強い存在があったほうがレベルが高まる、という意見もあります。

佐藤 僕はどっちでもいいと思います。多くのチームに優勝の可能性があったシーズンも面白かったですし、去年や今年のようにフロンターレが圧倒的な強さを示せば、ほかのチームがそこにどうアプローチしていくかという焦点もあるので、どちらの展開でも楽しめると思います。

中村 いずれにせよ、突出したチームが出ればそこを倒そうと考えて、新しいことを生み出すことでJリーグのレベルがまたひとつ上がると思うんですよね。ただ、個人的にうれしいことは、攻撃的な哲学を持ったクラブが上位にいること。フロンターレ、F・マリノス、鳥栖、あとは浦和もボールを握りたいサッカーになってきた。

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