どうした大宮アルディージャ。J1昇格候補がまさかのJ3降格危機に直面 (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 霜田監督は対戦相手の山形について「向こうの選手は(プレーの判断が)整理されている」と称え、「自分たちもああいうサッカーができると信じている」とも語る。

 しかしながら、「いろんな練習をしているが、判断が裏目に出ることある」と霜田監督。「勝ち負けにつながるところは、リスクを回避することが求められる」のも確かだ。

 J3降格がかなり現実的な危機として迫ってきている以上、理想ばかりを掲げてもいられない。

「(監督に就任してから)4試合やって手応えがあるところはたくさんある。だいぶ練習でやってきたことを出せている。だが、結果につながっていない」

 霜田監督はそう語り、「やり続ければ、もっといいチームになる手応えはあるが、現実的に目の前の勝ち点を積み上げていきたい」とも話しているとおりだ。

 今季のJ2は例年と異なり、下位4クラブがJ3降格となる。現在21位の大宮は最低3つは順位を上げなければならないが、18位との勝ち点差は3。まだまだどうにでもなる、わずかな差だ。

 だからこそ、大宮が監督交代に踏み切った背景には、J3降格危機を回避するのは当然のこと、そのうえで来季J1昇格への足がかりをつかんでほしい。おそらくそんな期待もあっただろう。

 しかし、山形戦を見る限り、一時のどん底状態からはいくらか浮上しているのかもしれないが、来季以降を見通している場合ではない、というのが実状なのだろう。もはや、なりふり構っている場合ではないのかもしれない。

 全42節のうち、ちょうど半分を終えた今季J2。まだ半分残っていると見るか、もう半分しか残っていないと見るか。

 いずれにせよ、残された時間はそれほど多くない。

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