日本代表エース、大迫の次は? 中村憲剛と佐藤寿人は五輪組のブレイクに期待

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Gettty Images

佐藤 ちょっと話は変わりますけど、最近「エース」という言葉を軽々しく使いすぎだと思うんです。結果を出している人はいいですけど、そうじゃない人にも使ったりする。

 僕が(ジェフユナイテッド)千葉に戻った時に、エースと書かれたことがあったんです。ちょっと待ってと。そんな軽々しく使わないでくれと。もちろん(サンフレッチェ)広島の時はエースという自覚はありましたけど、千葉の時はそうじゃなかった。エースは誰にでも使っていい言葉ではないんです。簡単に使うようになったのが、納得いかないですね。

中村 エースの系譜ってあるよね。(川崎)フロンターレだとジュニーニョがいて、ガナ(我那覇和樹)がいて、嘉人、(小林)悠、それで(レアンドロ・)ダミアン。エースの存在があって、若い選手たちがそれを見て育っていく。そういう流れがあったのは、よかったなと思いますよ。

 だから、フロンターレはずっと点が取れるチームでいられる。クラブとしての継続性を考えれば、そこを柱として、後継ぎ候補を取っていく作業はすごく大事だと思う。

佐藤 鹿島もそうですよね。2トップのうち、ひとりは必ず日本人を置く。やっぱり一番目立つし、重要なポジションですから、外国人選手をメインにしてしまうと、出ていかれた時にチームが大きく崩れてしまう。1、2年でいなくなってしまうので、教えることもないですし。

中村 普通、彼らは教えてくれないですよ。ジュニーニョは長くいたから、悠にメンタルの部分も含めていろいろと継承してくれた。それを悠が今度は、若い選手に残してくれると思います。

佐藤 僕も広島でウェズレイと2年間一緒にプレーしましたけど、いろいろと学ぶことは多かったです。

中村 いいFWと一緒にやるのが一番だよね。近くにふたケタ取っている人がいるんだから、それをマネしたらある程度、点が取れるようになるはず。もちろん、スピードとかフィジカルが違ったとしても、考え方はマネできるから。そういういい教科書が身近にあるのとないのとでは、だいぶ違ってくると思いますよ。

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