日本代表エース、大迫の次は? 中村憲剛と佐藤寿人は五輪組のブレイクに期待 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Gettty Images

佐藤 シュートを打つことに対して、周りの言葉を聞かなくていいと思いますよ。聞こうとするから、判断に迷いが生じてしまう。

中村(大久保)嘉人は面白いよ。シュートを打つ時に、周りに声出すなって言うから。

佐藤 それはありだと思いますよ。全部自分で判断する。外したら全部責任を持つ。決めるためにシュートを打つ決断になっていると思いますし、それが嫌ならFWをやめればいい。メンタルが強くないとストライカーは務まらないですよ。

中村 図々しくないとね。

佐藤 繊細だったら無理ですね。

中村 プレッシャーに潰されますから。得点王を取った選手はみんな図々しいですよ。寿人も含めて(笑)。

佐藤 やっぱり、点取りたいじゃないですか。目立ちたいじゃないですか。

中村 そうしないと、この人たちは職を失います。存在価値をゴールの数でしか示せないですから。

佐藤 死活問題ですよ。数字を残せなくなったら、やめなくちゃいけないんですよ。

中村 そこの境地にたどり着ける選手が何人いるか、だよね。

佐藤 嘉人と話していても、そんな感じですよ。いつ点が取れなくなるか不安でしょうがないと。5試合得点なしとか、シュートを打つ機会もないのに、メディアに『不発』って書かれますから。結果でしか見られない職業なんです。

中村 そう言われるのも、FWならではだよね。でも、それが反骨心になるから面白いと思いますよ、FWの人たちは。僕らとは頭の構造が全然違う(笑)。

佐藤 だから要求しないといけないんですよ。そのパスを通してくれたら1点取れるという場面で、ミスをされたら当然言わないといけない。生活がかかっていますからね。

中村 彼らが決めるためにゲームは組み立てられているし、彼らが決めることでチームは乗っていく。その分、本当にすごいプレッシャーだったり、いろんな言われ方をする。孤独だと思いますよ。その気持ちは僕にはわからないけど、だからなんとか彼らのよさを出してあげたいとずっと思ってましたね。

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