中村憲剛と佐藤寿人に聞いた「Jリーグでギラついている若手FWは誰?」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by Getty Images

中村 そういう危機感を持ったFWが一番怖いんですよ。自分が点を取るんだという意識が強ければ強いほど、怖かったですね。寿人もそうだし、ワシントン(2005年@東京ヴェルディ、2006年〜2007年@浦和レッズ)もそうだった。いいストライカーであればあるほど、危険なオーラを発しているんですよね。

---- 今のJリーグに危険なオーラを感じる選手はいますか?

佐藤 直接対峙していないのでわからない部分もありますけど、いいなと思うのはオナイウ阿道(横浜F・マリノス)ですね。ギラギラしてますし。

中村 点を取るのが自分の使命、というふうに変わってきた感じがする。(2019年に所属していた)大分トリニータくらいからかな。自分のゴールでチームを勝たせると、そういうのが備わってくるんじゃない?

佐藤 そうです、そうです。

中村 のってくるというか、俺が勝たせるというプライドみたいなものが作られていくんだろうね。

佐藤 オナイウはJ2のレノファ山口(2018年)に行ったのがよかったですよね。だから、若いうちはトップじゃなくてもいいと思いますよ。下のカテゴリーでも成功体験を積み重ねて、自分の形を作っていくことが大事ですから。

中村 点を取っていくと、無駄が減っていくよね。寿人なんて、その極み。点を取るために一番効率的な動きをするから、対戦していて嫌でしたよ、やっぱり。

佐藤 最近、指導の現場に出て思うのは、点を取ることをいかに言語化して伝えていくかということ。点を取ることに、感覚なんてありませんから。感覚でやっていたら、偶然でしか点は取れない。そのロジックを言語化して伝えていくことの重要性を強く感じています。

---- 以前のインタビューで、本能的だと見られている大久保選手も実はすごく考えてプレーしているとおっしゃっていましたよね。

佐藤 嘉人は、めっちゃ考えてますよ。言葉にはうまく表せてはないですけど(笑)、あいつの中では点を取るために何が必要かが、しっかりと整理されていると思います。

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