川崎フロンターレ、ACLぶっつけ本番遠征の舞台裏。谷口彰悟「最悪のケースや環境も覚悟していた」 (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • photo by (C)KAWASAKI FRONTALE

 フロンターレは年長者から順にビスネスクラスの権利を与えてもらったので、自分はビジネスに座ることができて、この時ばかりは年長者でよかったなと思いました。ちょっと若手選手やスタッフには申し訳なかったですけどね(苦笑)。ただ、若手選手もキツキツに座るというのではなく、窓側2席を使うなど余裕を持って移動できたので、それだけでも疲労は違ったと思います」

 話を聞いていて驚いたが、ACLの遠征は必ずしもビジネスクラスで移動していたわけではなかったという。韓国や中国といった比較的、移動距離が短い時や、ビジネスクラスが確保できないときには、エコノミーに座って移動したことがあると、谷口は教えてくれた。

「それだけに、チャーター機を手配してくれたクラブの取り組みには感謝しています。そのおかげで移動のストレスをほとんど感じることもなく、ウズベキスタンに入ることができましたからね。こっちに着いてからのトレーニングに臨む姿勢も間違いなく変わってくる。

 加えて、早くこちらに入ることができたので、徐々に身体を動かしながら試合に向けた準備もできています。そうした取り組みのおかげで、僕ら選手はサッカーに集中できていることを感じます」

 荷物は約190個にも及んだ。タシケントに到着してから、バスに積み込む作業をチーム全員で手伝ったという谷口は「こんなに何が入っているんだろうと思いましたよ」と笑う。

「選手の荷物はスポンサーの『VICTORINOX』からひとり1個、スーツケースを提供してもらっていて、それに思い思いのものを入れているので、どれもめちゃめちゃ重たかったです(笑)」

 何を持ってきたのかを清水に聞けば、「食料品がかなりの量を占めています」と言う。

「スポンサーの方々にお願いしたりして、かなりの量を協賛してもらいました。期間が3週間ということで、足りなくなることだけは避けたかったので、これというものを数多く揃えたり、支援してもらったりしました」

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