J2ウォッチャー平畠啓史さんが激推し。今季絶対に注目してほしい選手3人 (2ページ目)

  • 池田タツ●取材・文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Getty Images

甲府の泉澤仁は、独特のドリブル感覚が魅力だ甲府の泉澤仁は、独特のドリブル感覚が魅力だ<武道の間合いを感じさせるドリブラー>
泉澤 仁(ヴァンフォーレ甲府)

 ヴァンフォーレ甲府の泉澤仁選手の、左サイドでのドリブルに注目ですね。

 個人的に彼のドリブルが好きなんです。ボールを持つ角度が、ほかの人とはちょっと違うんですよね。例えばJ1のドリブラーと言えば川崎フロンターレの三笘薫選手、あるいは名古屋グランパスの相馬勇紀選手が挙げられますが、彼らともまた違う本当に独得なドリブルなんです。

 間合いが絶妙。一瞬止まって次に出ていく時の速さ、ワンタッチで相手をグッと引き離していくドリブルです。

 剣道や柔道などの、武道の間合いに似ているなと。相手と正対して息遣いを見ながら、例えば相手が「面」に来たら、その腕が動いた瞬間に「胴」を打つような。また相手も、「泉澤選手は『胴』を狙っているな」とわかっていても、泉澤選手の間合いに持っていかれてしまうようなところがあります。

 単純にスピードが速いといったドリブルではなく、自分の間合いを持っていて、そこで勝負する選手。彼にボールが渡った瞬間に「また始まるぞ!」という雰囲気が出ますよね。本間至恩選手とポジションは似ていますが、また全然違うドリブラーですよね。

ショートパスのうまさが光る、京都の武田将平ショートパスのうまさが光る、京都の武田将平<弱いパスのさじ加減が絶妙>
武田将平(京都サンガF.C)

 京都サンガF.C.は目立っている選手がたくさんいて、川崎颯太選手も挙げたいのですが、ここでは武田将平選手を挙げさせていただきます。

 ファジアーノ岡山の時からすごさを感じていました。昨年は期限付き移籍で、甲府でプレー。泉澤選手と左サイドでいい関係をつくっていました。京都は武田選手が出場してから、連勝が始まっています。

 改めて見ていて、本当にうまいなと。ロング、ミドルのパスもいいんですが、短い距離のパスがめちゃくちゃうまい! 短いパスのスピード感って難しいじゃないですか。味方が近いから、パスの勢いが強すぎるとトラップできないし、緩すぎると相手にカットされる。そのさじ加減がめちゃくちゃうまいんですよね。

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