中村憲剛も佐藤寿人も同意見。「海外で活躍する選手に共通すること」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 彼の場合はフロンターレでそこまで試合に出られなかったけど、仙台で1年間レギュラーとしてプレーしてベースを作ることができていましたから、さっき自分が言った条件みたいなものには当てはまっていたかなと。結果として、今フローニンゲンでキャプテンをやるまでになっていますから。

 だから、チームがその選手を獲る際に、熱意も含めてどれだけ考えてくれているかも重要なこと。そのあたりも踏まえて決断しないといけないだろうし、逆にこのタイミングでは早いからちょっと待とうと思っても、半年後に大ケガをして移籍のチャンスを逸してしまう可能性もゼロではない。だから、オファーが来た時に行けるような準備をあらかじめしておくことがベストなんじゃないかと思いますね。

◆佐藤寿人、挫折と屈辱もあった21年。「正直、ひどい監督だと思った」>>

佐藤 移籍は個人の意思の上に成り立つものですからね。選手がそれに対してどう準備をしていくか。そこは、年齢は関係ないですよ。経験値が足りないなかでオファーが来るかもしれないですけど、精神的な部分での準備はできる。

 たとえば、グランパスからオランダのAZに行った菅原(由勢)も、プロ1年目はほとんど試合に出られなかったけど、U−20ワールドカップが終わったタイミングでオファーが来て。彼は若い時から海外志向が強くて、そのための準備をしてきていたので、オランダでもあの難しい後ろのポジションでしっかりと積み上げているな、という印象は受けますね。

中村 パーソナリティも重要だよね。明るいでしょ、菅原くん。

佐藤 めちゃくちゃ明るいですね。やっぱり通訳といる時間より、いかにチームメイトといる時間を長くするかが大事ですよね。僕らが外国人選手と一緒にチームを作っていくなかで感じたものを、どれだけ向こうで体現できるか。

中村 そうだね。外国人選手が入ってきて、日本語をがんばって覚えようと努力している姿とか、箸を持ってご飯を食べようとしているのを見るとね。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る