中村憲剛も佐藤寿人も同意見。「海外で活躍する選手に共通すること」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

中村 行くのは悪いことではないけど、準備も含めてやらないといけないということ。準備不足のまま行っても、なかなかうまくはいかないと思うんですよね。実際、ヨーロッパにはかなりの数の選手が行っているけど、活躍して取り上げられる選手はそこまで多くないのが現状です。

 そういう状況を見ると、ある程度Jリーグでプロとしての土台を作ってから行ったほうが、長く向こうでできるんじゃないかなとは思いますね。でも、それだと年齢的にもう遅いという世界でもありますから、難しいですよね。

 行くタイミングと、行くチームによってもかなり変わってきますし。そこは運みたいなところもある。自分を呼んでくれた監督がいなくなることも普通にあるので。あとは、圧倒的に違うのは「助っ人」という立場になるということですね。

佐藤 そういう感覚がまだないですよね。コメントとかを聞くと、「チャレンジしたい」とかいうじゃないですか。もうその時点で、助っ人じゃない。

中村 そうなんだよね。行くことはいいことだと思うし、違う文化に触れることもそう。僕は海外のクラブでプレーした経験はないけど、代表で海外に行って活動するなかで、食事や気候・文化など刺激を受けることはたくさんあった。

 普通に生活するなかで、人間的に成長できることもあると思う。本場で揉まれれば、いろいろ経験できることもあるだろうし。でも、やっぱり試合に出られないのが一番厳しいと思う。しかも、伸び盛りの20代前半でそういう機会を逸してしまうと、積み上がるものも積み上がらない。

 やっぱり、結果がすべての世界なので、試合に出られないともったいないです。そういう意味では、行けばいいというわけではないと思います。

---- 出られない可能性が高いビッグクラブからのオファーも、最近は増えています。

中村 板倉(滉/現フローニンゲン)がマンチェスター・シティからオファーを受けた時、本人から連絡があって。シティからオファーが来て、断るわけにはいかないだろうとは言いました。フローニンゲンにレンタルされることも決まっていたから、すぐにはシティでプレーできないけど、その枠の中に入っていること自体が大きいことだから行くべきだと。

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