独自のJ1月間ベストイレブン。無敗の首位・川崎Fからの選出は何人?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 エドゥアルドは、鳥栖で欠かせない選手になっている。以前は感情的なプレーに走ってしまい、ミスが多くなる癖があったが、やるべき仕事が明確にされたチームで、十全に才能を発揮。跳ね返すディフェンスの強度は特筆に値する。また、偽左サイドバックのような中野伸哉との連係で生み出す「左巻きの攻撃」の起点でもある。

 MFは、日本代表に選出された自信か、稲垣祥は名古屋の戦術を司る存在として重厚さが増した。守備範囲が広く、ボールを奪い取る技術も高いため、相手を容易く中に入らせない。また、押し込んだ時のミドルシュートは開幕以来、大きな武器。とくにセットプレーで、Jリーグではペナルティアークにしっかり人を置かずに守るチームが多いため、そのこぼれ球が"入れ食い状態"だ。

現在、Jリーグで最高のプレーを見せている田中碧現在、Jリーグで最高のプレーを見せている田中碧 田中碧(川崎)のプレーは格別、今やJリーグ最高のMFと言える。インサイドハーフだけでなく、アンカーとしてゲームの組み立てもし、どのポジションでも適応し、周りを生かせる。切り替えも速く、奪われたボールを奪い返し、チャンスにでき、無双に近い。そして動きがダイナミックで、ラインを突破できる。ベストイレブンにとどまらず、月間最優秀選手候補だ。

 遠野大弥は、川崎に必要なプレーインテンシティを、中盤から前線にかけて注入できる。ボールプレーを信条とするバルセロナも、前線にホセ・マリア・バケーロ(スペイン)、アレクシス・サンチェス、アルトゥーロ・ビダル(以上チリ)など、パワーのある選手を一人、伝統的に入れてきたが、遠野もその役目に近い。激しく動き回って、敵を撹乱し、味方に余裕を与えながら、果敢にゴール前へ入る。FC東京戦も前線のトランジションで優位に立って、勝利に貢献した。

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