サガン鳥栖、躍進の理由か。J2から移籍の頭脳的MFが中心となっている (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 原川も酷似した道を歩んでいる。京都でデビュー。2016年に川崎に移籍したが、リーグ戦わずか4試合に出場しただけで、鳥栖へと移籍した。そこからC大阪へと栄転を果たし、日本代表にも招集された。

 今季、鳥栖の中心選手になった仙頭はどうだろうか。27歳の原川を遅咲きと先述したが、仙頭は26歳で、原川とはわずかに1歳差だ。こちらも遅咲きと言えば遅咲きだ。大卒選手だからだ。

 京都橘高校から東洋大に進学。在籍中にチームを関東大学リーグ1部に押し上げている。ちなみに、日本代表に招集されながら原川同様、ケガで辞退した坂元達裕(C大阪)は、その2年後輩にあたる。

 仙頭が坂元と共通する点は、ゴールまでのルートが見えているかのようなプレーをすることだ。このようにボールを運べば、おそらくシュートに持ち込めるのではないか。そうしたイメージを頭に描きながらプレーしているであろうことが、観戦者であるこちらに伝わってくる。頭脳的な好選手に見える理由だ。

 FC東京戦。鳥栖は前半を0-2で折り返すと、後半は守りに入った。4バックから事実上の5バックに布陣を変更。守りを固めた。試合は自ずとFC東京ペースに移行した。鳥栖は何とか1-2で逃げ切ったが、後半の戦いは褒められたものではなかった。後半のようなサッカーをしていると、順位はずるずる後退しそうである。すなわち、中盤のないサッカーに陥ったので、仙頭も活躍の機会を失うことになった。

 仙頭の好プレーと鳥栖の好成績は正比例の関係にある。筆者の目にはそう映るのである。

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