欧州の舞台で見たいJリーグの2選手。海外移籍は20代後半からでもいい (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

◆中田英寿を上回る天才に起きた悲劇。リーガに「ぶっとんだ自信」で挑んだ>>

 3月の日本代表戦で初招集された小川は、今年11月で25歳。2016年にJリーグデビューしてから、左利きの左SBとして将来を嘱望されてきたが、ケガなどもあって遠回りした。安定感をようやく手にしつつあるが、ポテンシャルを考えればもっと飛躍してほしい。キックの精度は高く、フィジカルも強く、高さもある。

 代表デビュー戦ではミスも見られたが、日常的に体格差のある外国選手とのフィジカルコンタクトに慣れ、戦術眼を磨いていけば、日本代表に欠かせない選手になるだけの能力はある。

 また、26歳の古橋亨梧(ヴィッセル神戸)も欧州リーグでのプレーを見てみたい選手だ。彼のスピードと、貪欲にゴールに向かう姿勢が、得点することに価値を置く本場でどう評価されるのかは興味深い。

 有望な選手が次々とJリーグから海外へ移籍していくことになれば、もちろん寂しさはある。しかし、日本サッカーのレベルを高めていくためには、現状では選手としての最盛期をヨーロッパで過ごしてもらうことが全体のレベルアップに直結することは間違いない。Jリーグが創設された20数年前とは環境も変化し、海外移籍のルートは増えている。10代でも20代でも、選手たちはそのチャンスを生かしてほしいと思う。

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