J序盤戦の新戦力評価。近年流行りのJ2→J1「個人昇格組」が今季も大暴れ (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 そして、J2時代とは異なるポジションで新境地を切り開こうとしているのは、清水のFWディサロ 燦シルヴァーノである。

 昨季はギラヴァンツ北九州のエースストライカーとして活躍し、J2で日本人トップの18ゴールを記録したディサロだが、清水ではインサイドMFとしてプレー。全6試合に出場(うち1試合先発)と試合経験を重ねながら、意外な適応能力の高さを見せ、プレーの幅を広げている。

 一方で、個人としては成果を残しながらも、それがチームの結果につながらないジレンマを抱えている選手もいる。

 今季、V・ファーレン長崎からベガルタ仙台へ移籍加入したMF氣田亮真は、全5試合に先発出場。個人昇格の新戦力ながら、左サイドMFの定位置をつかみ取っている。

 だが、昨季も17位に終わった仙台は、ここまで1分け4敗といまだ勝利がなく、J2降格圏の18位に沈んだまま。氣田の持ち味であるキレのいいドリブルも流れを変えるには至っておらず、悔しい思いをしていることだろう。

 また、今季モンテディオ山形から湘南ベルマーレに移籍加入したMF中村駿は、開幕戦からボランチとして先発出場。落ち着いたプレーぶりは、早くも中心的存在となりつつあることをうかがわせていた。

 ところが、第2節柏レイソル戦で左足を痛めて途中交代。そのまま戦線離脱となってしまった。その間、湘南は1勝しかできず16位と苦しんでいるだけに、一日も早い復帰が待たれるところだ。

 先日行なわれたワールドカップ2次予選モンゴル戦で、代表初ゴールを記録したMF古橋亨梧(ヴィッセル神戸)を代表格として、近年のJ1ではJ2からの個人昇格組の活躍が目立っている。そして今季もまた、シーズンはまだ序盤戦を終えたばかりではあるが、早くもその兆しは見えている。

 徐々にチームへの適応も進む第7節からの再開後は、さらなる新戦力の活躍もありそうだ。

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