絶好調のサガン鳥栖。持ち味はチーム全体での組織的プレーだ

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

◆鎌田大地以来の「希望」となる17歳が出現。新生サガン鳥栖の未来>>

Answer
サイドの裏のスペースに走り込んで抜け出した

 このシーンのポイントは本田、中野のポジショニングだ。

 4バックで臨んだ鳥栖は、ビルドアップ時に中盤の島川俊郎がセンターバック(CB)間に落ち、両CBがワイドに開くことで両サイドバック(SB)を高い位置に押し出す形を取っている。

林はサイドの裏のスペースへ動いてロングパスをもらい、一気にゴールへ向かった林はサイドの裏のスペースへ動いてロングパスをもらい、一気にゴールへ向かった この場面でも左SBの中野が高い位置に行き、左MFの本田は中に入ってポジションを取った。ここで前から行く柏はクリスティアーノがエドゥアルド、ボランチのヒシャルジソンは、鳥栖のパスの出どころである松岡大起までプレス。

 これに連動するように、中野に対しては北爪が、本田に対してはCB上島が出て行った。

 ところが、これによって裏にスペースが生まれた。鳥栖が狙っていたのはこの形である。そのスペースに林がポジションを取ると、柏のもうひとりのCB染谷悠太もスライドはしたが中央を空けられず、深追いをしなかった。

 そこへエドゥアルドから長い縦パスが出ると、林は一気に抜け出した。最後は染谷をシザーズでかわし、左足でフィニッシュ。

 積極的なプレスでプレッシャーをかけていた柏だったが、鳥栖はその裏をかく形で見事に崩した。ハードワークが売りの鳥栖だが、攻撃においてもオーガーナイズされた戦術で崩す好チームである。

 開幕6試合無敗をつづけ、無失点記録に並ぶことができるのか。次節、攻守ともに鳥栖から目が離せない。

◆【動画】Jリーグ 鳥栖vs柏ハイライト
(林の先制のゴールシーンは1分16秒〜2分2秒)

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