清武弘嗣の美ゴールを演出したパッサーに「中村俊輔越え」の期待も

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

◆蘇った大久保嘉人。基本に忠実な動きが得点力を支えている>>

 正確なパスが出せるパッサーは、日本のサッカー界において、ドリブルが得意なウインガーと反比例するように数を減らしている。そうした中でパスの受け手としてのみならず、出し手としても魅力を発揮する坂元。死語を承知で言わせてもらえば、ファンタジスタのテイストがある。ポップでキャッチーなプレーを披露しそうな、甘い雰囲気も兼ね備える。

 三笘のみならず、坂元もまた欧州で通用する選手だと思う。C大阪の監督だった昨季のロティーナ監督は坂元に、GKキム・ジンヒョン、マテイ・ヨニッチに次ぐ、チームで3番目に多い出場機会を与えた。今季の監督レヴィー・クルピも、これまで開幕から4試合連続フルタイム出場させている。

 交代枠5人制におけるアタッカーと言えば、出場時間は、三笘がそうであるように、3分の2程度あれば上々だ。一流と見なされる。そうした中で4試合連続フルタイム出場するアタッカーはそういない。ロティーナ、クルピ両外国人監督が、ともに坂元に高い評価を下していることがわかる。

 日本代表の森保一監督の評価はいかに。今月25日に行なわれる日韓戦のメンバーに招集されてもまったくおかしくない技巧派のドリブラー兼パッサー。スタイルを確立しつつある坂元から、目を離すことはできないのだ。

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