ガンバ宮本監督が目指す変化「2点目、3点目を狙える戦いをしたい」 (2ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 もっともシステムについては、以前から3バック、4バックの併用を含め「相手に応じて柔軟に対応していく」と明言していたことを思えば、4-3-3もあくまでオプションの1つという見方も。ただ、いずれにせよ、そのトライが今シーズン、宮本監督が目指す"変化"を求めたチャレンジであることは間違いない。

 その変化とは、"ボールを持っている際のプレーの質の向上"だ。

「昨年はたくさんの選手が試合に絡みながら、勝ち切らなければいけない試合をしっかりモノにしたり、厳しい試合で逆転勝ちをしたり、押し込まれながらも逃げ切ったりと勝負強さを示せたシーズンになったと思っています。そういう意味ではタフになったという手応えを感じられたところもありました。

 ただ、試合によっては、悪い流れに歯止めがきかなくなって大量失点につながってしまったという反省もあったし、ボールを保持する力、得点数にも物足りなさを感じました。リーグ戦では2位という成績を残せたものの、昨年はコロナ禍の影響で降格チームがないイレギュラーなシーズンだったことを考えれば、結果だけで推し量れない難しさもありました。

 また、順位表を見てのとおり、首位の川崎フロンターレと、それ以外のチームでの争いになったのも否めません。その川崎との差をいかに縮め、追い抜けるのかにトライするためにも、今年はディフェンス面で粘り強く戦うことや、相手からボールを奪う圧力は継続しながら、ボールを持っている時のプレーの質の向上を図りたい。

 昨年は、結果的にその時々の自分たちの強みを最大限に生かすために、ダイレクトにゴールを目指すようなサッカーを強調した時期もありましたが、今年は去年の最初にもトライした、自分たちでボールを動かしながら相手陣内に入っていく、それを得点につなげていく攻撃をしたいと思っています」

 その狙いを明確に示すべく、今シーズンはリーグの試合数が例年の34試合から38試合に増えることを踏まえて、目標とする勝ち点は「75」に、得点数は「65」に設定した。昨年の反省をもとに、1試合での"複数得点"を睨んだ数字だ。

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