17歳スタメン、15歳デビューで快勝した永井ヴェルディの未来戦略 (4ページ目)

  • 会津泰成●取材・文 text by Aizu Yasunari
  • photo by Getty Images

「本当は、陸斗よりも先に真拓が、J2の最年少出場記録を塗り替えていたはずだった」と永井。当時15歳の阿野を永井は、2種登録でトップ昇格させようとした。ところが、いざ試合で起用しようとした時、阿野は2種登録されていなかった。

 阿野は元々、ヴェルディの本部所属ではなく、ジュニアユースまでは支部の『ヴェルディSS小山』に所属していた。永井がトップチームの監督に就任した2019シーズンは本部のユースに来て半年も経っておらず、いきなり2種登録するかの判断は難しかった。そんな事情もあり、阿野の2種登録は見送られた。

「もしあの時、真拓が2種登録されていたら、真拓がJ2の最年少出場記録を作っていた。陸斗(15歳10カ月26日)も記録は破れなかった。

 我々のクラブには、圧倒的な個の力のあるスーパースター、メッシやシャビ、イニエスタのような選手はいない。だったら、自前で育てるしかない。

 才能ある選手には、早い段階から高いレベルで経験を積ませることが大切。そこは指導者である我々も妥協してはいけない。プレイヤーズファーストにもかかわらず、2年半前は、大人の勝手な事情で真拓のデビューを遅らせてしまった。

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