「ヴェルディが大好き」井上潮音がヴィッセルへの移籍を決断したワケ (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text by Takamura Misa
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

 ちなみに、井上が楽しみにしているイニエスタとのプレーは、イニエスタがケガのリハビリの最中にあるため、いまだ実現できていないが、実は始動日を前にメディカルチェックを受けた際に偶然、病院で顔を合わせたという。

「イニエスタ選手はまだ僕のことを認識していなかったと思いますが、挨拶をして『早く復帰してください』って声をかけました。緊張しました(笑)。

 彼は小学校の頃からずっと憧れてきた選手。プレースタイルも近いものがあったので、ずっと映像で見て、それを真似て、と繰り返してきました。今はまだ一緒にボールを蹴ることはできていませんが、その日が来るのをすごく楽しみにしていますし、イニエスタ選手以外にもこのチームには本当にレベルの高い選手がたくさんいて......すでに、映像で見るのと実際に体感するのとでは感じられることの多さが圧倒的に違うんだな、と実感する毎日です。

 そのなかでは、さっきも言ったとおり、自分自身がまだまだ成長しなければいけないと痛感していますが、その反面、この環境でサッカーを続けていけば、絶対に成長できるという手応えもある。この先の自分が楽しみで仕方がないです」

 声を弾ませ、新たなチャレンジについて語った井上。その才能がJ1リーグの舞台で開花すれば、そこにはきっとたくさんの驚きが待っているに違いない。

井上潮音(いのうえ・しおん)
1997年8月3日生まれ。神奈川県出身。東京ヴェルディのアカデミーで育ち、2016年にトップチーム(J2)に昇格。出場試合を着実に増やして成長を遂げ、2021年にJ1のヴィッセル神戸へ完全移籍。東京五輪世代の有望株のひとり。

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