恋愛推奨、髪形フリー、先輩クン呼び。これが令和のサッカー部の新常識!? (2ページ目)

  • 森田将義●取材・文 text by Morita Masayoshi
  • photo by Morita Masayoshi

 昨年末に福岡市にある美容室「メリケンバーバーショップ福岡」とパートナーシップを締結。今年1月から、Jリーガーのヘアカットも行なうヘアデザイナーの沼田有斗氏が月に1度学校を訪れ、希望する選手のカットを無料で行なう取り組みを始めた。

 ヨーロッパのプロサッカーチームでは、美容師がチームに帯同するのは当たり前。マンチェスター・シティではロッカールームでヘアメイクを終えてから試合に挑む。アメリカの大学では構内にある理髪店で、髪形を整えてから競技に励む選手が少なくないが、日本では例を見ない取り組みである。

 中辻喜敬監督は、その理由について、「似合った髪形にしたり、カッコいいユニフォームを着たり、見た目を良くすると気持ちが高まります。気持ちが高まれば、プレーが良くなっていきます」と話す。

<恋愛推奨。日曜日をオフに>

 多数のJリーガーを輩出する大阪府の興國高校では、恋愛を推奨しているのが特徴だ。理由について、内野智章監督はこう明かす。

「サッカーだけさせていると、サッカーしかできない人間になります。では、サッカーを辞めた時にどうやって好きな子とお付き合いをするの? って思うんです。社会に出たら遊びに歯止めがきかず、潰れてしまう選手も少なくない。プロになれるのは、3000人にひとりくらい。2999人はプロにならない人生を歩むのだから、幅広い選択肢の一つとしてサッカーがあるといった育て方をしなければいけないんです」

 内野監督は、幼馴染とゴールインしたリオネル・メッシ(バルセロナ)らの名前を挙げ、恋人がいながらもサッカーに打ち込む重要性を説いているという。

 サッカー部の多くが、週末の試合が明けた月曜日をオフに設定しているが、興國高校は公式戦が入らない限りは、日曜日に設定している。月曜日がオフだと夕方までは授業があるため、遊びに行ける場所は限られているが、日曜日が丸一日使えると選択肢は広がる上に、サッカー部以外の生徒とも予定が合わせやすい。

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