昌子源が語る昨季ガンバと遠藤保仁の移籍「いろんな面でダメージはあった」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

――それは、どういった影響ですか。

「川崎と勝ち点差や得失点差でそんなに差がなければ、(川崎に追いつくために)僕らは点を取って勝たなければいけないので、もっとアグレッシブにいけたと思うんですよ。でも、川崎とは勝ち点差も得失点差もかなりの開きがあった。そのため、川崎に追いつくというより、2位を死守して『自分たちもACL(AFCチャンピオンズリーグ)に出るぞ』みたいな気持ちのほうが強くなって、それが1点を獲ったら慎重になる試合展開になってしまったのかなと思います」

――得点46はリーグ9位タイ。やや得点パターンが少なかった印象があります。

「(前線の選手は)もっとガンガン攻めたい気持ちもあったと思いますが、状況的にはなかなかいけなかった。そういうなかで点を取るには、セットプレーが重要かなと思います。昨季は大事な試合でパトリックがセットプレーで何点か取ったけど、2点目、3点目をセットプレーで取れていれば、もっと楽に戦えたと思うんですよ。セットプレーは流れとか関係ないし、大きなチャンスなので、そこは今季、自分自身としても、チームとしても、もっと意識して(セットプレーからの得点を)増やしていきたいですね」

 失点はリーグ5位の42。守備は安定していた。昌子は守備のリーダーとして期待されていたが、昨季の守備についてはどう見ていたのだろうか。

「(当初)下位チームにもボールを持たれて、攻められていた(苦笑)。そこで、最終ラインの面々とヒガシくん(GK東口順昭)とで話をしたのは、『とにかくしっかり守ろう』ということ。もちろん、前の選手に『もっとこうしてほしい』という要求もしていたけど、DF陣としては、もうあまり上がらなくてもいいから、シンプルに守ることだけを考えていました」

――その分、手堅い守りを見せていました。

「そうなったのは、上位にいた、というのも大きいと思います。ここ数年のガンバは中間順位にいたので、上位にいて、上位の戦い方みたいものをチームとして忘れていたと思うんですよ。だから、あんなに堅い試合が増えてしまった。割り切って、それで勝っていたからよかったけど......。なんか虎の子の1点を守るみたいなサッカーで、カテナチオみたいなチームになっていた部分はあるかもしれません」

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