熾烈なJ１サバイバルも開始。鳥栖と湘南が残留するためには何が必要か (3ページ目)

　この落としを受けた松岡大起は完全にフリーで、その余裕を使い、右サイドまでボールをつなげ、飯野が半ば強引にカットインしたところ、足を引っかけられた。VARでの判定になったPKを林大地が蹴り込み、決勝点となったのだ。

　若さや経験不足が明瞭に出たが、鳥栖には中野、朴、林と戦局を動かせる選手が要所にいた。

「勝ててよかったですが、いろんな課題が見つかりました。ボールを大事にしつつ、持つだけでなく縦に速いボールを入れるところで。今日はボールを失う回数が多く、後ろの人数も重かった」（鳥栖・林大地）

　得点を決めた林は、相手の力を使ったキープや反転など局面での勝負に長ける。うまくも速くもないが、ゴールの匂いを濃厚にさせる生粋のストライカーと言える。PKも、ど真ん中上に蹴る度胸の良さを見せた。

「理想があっても勝てないと前に進めない。勝つというのがプライオリティ。（キャンプから）こだわってきたプレーが出たとは思います」（鳥栖・金明輝監督）

　鳥栖は幸先のいい勝利でチームを旋回させられるか。