41歳 遠藤保仁が磐田での2年目を語る。プロになって24年目、ブレない姿勢 (2ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Getty Images

――目標を達成する中で果たすべき自分の役割は、どう考えていますか。

「ポジション的に、ゴールへのスタートかな。そういう起点になれればいい。あとは、磐田にはチームの伝統というかスタイルがあるので、それに沿いながらやっていければいいと思っています。磐田はベテランの選手に対して、すごくリスペクトがあるチーム。若手から積極的にアドバイスを求められることが多い。若い選手には、『闇雲に練習をやれば成功するわけじゃない。ただ、日々のトレーニングが数年後に帰ってくるから、自分の特徴を把握したうえで、すべきことはしたほうがいい』という話をしています」

 ガンバにいた時から若い選手に対して雄弁に語ってこなかった遠藤。早めにクラブハウスに来てアップのトレーニングをして、練習後もランニングやストレッチを欠かさない。プロとして当たり前のことを背中で見せ、自ら活躍することでチームでの存在感と説得力を増していった。

 磐田でも遠藤が練習後に黙々とランニングをしたり、ストレッチをする姿を見て、若い選手は刺激を受け、プロとしてあるべき姿を学んでいく。また今年41歳になる遠藤は、42試合の長丁場であるJ2を戦っていくうえで、体のケアは欠かせないものだと考えている。

――昨年、プレーの質が落ちたり、走れなくなると「すぐに年齢のせいと言わるのが悔しい」と言っていました。

「今年も言われるでしょうね(苦笑)。やっぱり、この年齢になれば、年だからというのは、どうしてもついてくるものなので、受け流すところは受け流していく。正直、いいプレーをしても悪いプレーをしても年だからと言われるので、あまりに気にせず、必要なところでは走るし、そうじゃない場面では走らない。GPSでデータを取っているので、それを見て自分の中で把握しとけばいいかなと思っています」

――逆に年齢を重ねて進歩する部分はあるのでしょうか。

「状況によって、何をしないといけないのか。そういう判断は若い時よりもできていると思います。技術的には、どうかなぁ。急激に上がることも、極端に落ちることもないですが、強いて言えば25歳の時よりは若干タッチが乱れたりすることが増えたかなという感じですね」

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