J2のブレイク候補5人。引き抜かれないかサポーターは常にヒヤヒヤ

  • 六川則夫●撮影 photo by Rokukawa Norio

「相模原のビースト」ユーリのプレーが爆発寸前だ「相模原のビースト」ユーリのプレーが爆発寸前だユーリ・マムチ(SC相模原/FW)

 この男がピッチに立っているのを見ると、競技を間違えたんじゃないかと思ってしまう。

 ユーリ・マムチ。その見た目はラグビー選手、いや、ヘビー級の格闘家のようですらある。177cm、86kgという数字だけだといまいち伝わらないが、とにかくゴツい。上半身も下半身もムチムチでユニフォームがはち切れそうだ(太モモ周りは70cmあるらしい)。

 ユーリが日本のファンの前でベールを脱いだのは、2020 シーズン開幕前に行なわれた大宮アルディージャとの練習試合だった。当時はJ3だった相模原が大宮に4-1で勝った試合で、ユーリは先制点を決めた。その体格からは想像もつかないスピードに加え、股抜きやシザーズなどを見せるように、意外と技巧派でもある。試合後、大宮サポーターによるツイッター投稿が衝撃の大きさを物語っていた。

「ボブ・サップみたいなヤツにやられた......」

 期待値は特大級だったが、1年目は22試合5得点と大ブレイクとはいかなかった。同じく新加入だったブラジル人FWのホムロがチーム最多の13得点を決めた一方で、ユーリは前線からの守備など日本のサッカーへの順応に苦しみ、出場時間も限定的だった。だが、2年目のユーリはひと味違うらしい。

「モチベーションも高いし、コンディションも上がっている。かなりやるんじゃないかな」(三浦文丈監督)。

 もうすぐJ2に"相模原のビースト"が上陸する――。(北健一郎●文)

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