J2のブレイク候補5人。引き抜かれないかサポーターは常にヒヤヒヤ

  • 六川則夫●撮影 photo by Rokukawa Norio

『特集:Jリーグが好きだっ! 2021』
J2を面白くする注目選手たち

2月26日に開幕するJリーグ。スポルティーバでは、今年のサッカー観戦が面白くなる、熱くなる記事を、随時配信。さまざまな視点からJリーグの魅力を猛烈アピール!

今回は、J1より多い22チームで争う、J2の注目選手をピックアップ。クラブやサポーターから大きな期待をかけられ、今季ブレイクを果たしそうな5人を紹介する。

新監督を迎えた大宮の、キーマンになりそうな大山啓補新監督を迎えた大宮の、キーマンになりそうな大山啓補大山啓輔(大宮アルディージャ/MF)

「啓輔、(前を)向けるぞ!」

 沖縄キャンプの名古屋グランパスとのトレーニングマッチで、今季から指揮を執る岩瀬健監督から指示の声が飛んだ。昨季J1で3位の名古屋の強烈なハイプレスを相手にしても、できる限りボールを受けたら前を向いていこうというのが、今季の大宮アルディージャのサッカーだ。

 岩瀬監督は、就任してからここまで「相手の嫌がるサッカーをする」と何度も口にしている。その一つとして、相手のプレスに対してはこちらが前を向いたほうが、相手は嫌がるという考えがある。

 そんな岩瀬監督のサッカーのキーマンになりそうなのが、ボランチの大山啓輔である。小学生の時から大宮アルディージャでプレーする生え抜きの大山は、アンドレア・ピルロ(イタリア/現ユベントス監督)のような正確な長短のパスを使い分ける。ボールタッチはエレガントそのものだ。昨年は65メートルの超ロングシュートを決めて、月間ベストゴールにも選ばれた。

 大山には「相手の嫌がるサッカー」を実行する頭脳と技術が備わっている。ピッチの中央でタクトを振るいチームを進むべき方向へ導くのが大山の役割となりそうだ。また、常に世界中の最先端のサッカーを学び、吸収しつづける岩瀬監督のサッカーにおいて、選手もまた最先端の戦術に適応することが求められる。

 そうなると、岩瀬サッカーのなかで大山も、より広範囲に動いて攻守にわたって活躍するプレーヤーになっていくはず。ピルロからケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)のように進化していく姿が見られるかもしれない。

 昨季はケガもあり18試合の出場に留まったバンディエラ(旗頭/チームの象徴)だが、今季はピッチ上でも、ピッチの外でもクラブを引っ張っていく存在になってくれることが、大宮アルディージャ全サポーターの願いである。(池田タツ●文)

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