降格は4チーム。本命不在のJ2、仁義なき戦いを制するのはどこか?

  • 池田タツ●文 text by Ikeda Tatsu
  • photo by Getty Images,EHIME FC

「京都はスポーツを度外視して、神社、仏閣、世界遺産になるようなものを見に来る人が多く足を運ぶ場所。そういう人たちと、元々京都に住んだり関係している人たちに何を見せなければいけないかというと、魅力や面白さ、激しさやフェアさ。そういうものが見ている人たちの心を打って、大きな売りになる都市だと感じている。

 湘南には湘南の良さがあった。海の近くなので暴れん坊的な気質のサッカーが街に合っていたと思う。京都には京都の良さがあって、色んな人を巻き込んで一つのことを成せる可能性が高い街。京都サンガもそうなれるようにやっていく。金閣寺に勝てるかはちょっとわかりませんが(笑)、でもそのぐらいのつもりでやりたい」

 金閣寺を持ち出すあたりは曺監督らしく、相変わらず視座が高い。

 京都はオフシーズンに曺貴裁サッカーをよく知るMF武富孝介、MF松田天馬、中川寛斗、白井康介を補強した。彼らがピッチ内外で伝道師となり、1年目からスピード感をもってチームにスタイルが浸透していくと思われる。

 昨季J2得点王のFWピーター・ウタカの残留も決まり、得点力に関しては文句なし。さらに中野桂太ら若手で期待される素材も多く、積極的に若手選手を起用する曺監督のもとでブレイクを果たすプレーヤーも出てくるだろう。また曺監督は若手のみならず、年齢に関係なく選手を成長させてきたので、中堅やベテラン選手の成長も期待できる。

 昇格候補と呼ばれることについては「プレッシャーです(笑)」と笑顔を見せたが、あくまで今目の前にあるものをこなしていく、ブレない姿勢を見せた。

 曺監督は湘南ベルマーレ時代にJ2を3度戦い、そのすべてでJ1昇格を成し遂げているのも強みだ。曺監督が生まれ育った地元京都で、チームを11年ぶりの昇格に導く可能性は決して低くはない。

<昨季の上位陣は戦力を維持>

 そのほかに昇格候補に挙げられるのが、昨季の上位陣であるV・ファーレン長崎、ジュビロ磐田、モンテディオ山形、ヴァンフォーレ甲府あたりか。

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