ゼビオに経営体制が一新。ヴェルディの激動を永井秀樹はどう感じたか (2ページ目)

  • 会津泰成●取材・文 text by Aizu Yasunari
  • 写真提供:東京ヴェルディ

―― 昨シーズンの反省と今シーズンの課題について聞かせてください。

 単純な勝敗だけで言えば、勝てた試合を取りこぼしてしまったこともあった。それは大いに反省すべきところ。過密日程だったとはいえもっと綿密に準備して、拘(こだわ)ってやらなければいけなかった。

 戦術の浸透という意味ではよくできたと思う。ただ、誰が出ても同じレベルやパフォーマンスを発揮して勝てる、ということに関してはまだまだ積み上げが足りない。それは選手の能力だけの問題ではなくて、「誰が出ても同じサッカーができる」という目標を掲げる、指導者である自分の責任。さらに細かいコンビネーションや、究極で言えば、阿吽(あうん)の呼吸でプレーできる域まで持っていかなければ、我々の目指すサッカーは完成しない。

 固定メンバーならば理想の7割、8割はキープできるところが、選手がひとり、ふたり、3人、4人と変わると、うまくいかない時間が長くなってしまった。2021シーズンはより拘って、より緻密に積み上げたい。対策を打たれても、それを上回るプレーで勝利を掴むことを目指す。

 最終的には、相手チームから見て「ヴェルディ対策をしてもどうしようもないな」と失望させるような、ある時期のバルセロナや、昔の読売クラブのレベルまで辿り着きたい。その過程の中で、相手ありきで、我々もより多くのプランを立てて、固執せず臨機応変に戦うことも必要と考えている。

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