柿谷曜一朗や齋藤学は蘇るか。J史に残る移籍で復活した名選手ベスト3 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 そこで、柳沢が選択したのが、京都サンガへの移籍である。

 2008年、京都に新天地を求めた柳沢は、シーズン自己最多タイとなる32試合に出場し、自己2番目の14ゴールを記録。14位と苦しんだチームにあって獅子奮迅の活躍を見せ、ベスト11にも選出されている。鹿島時代を含め、異なる2クラブでベスト11に選出されたFWは、Jリーグ史上ただひとりの快挙だった。

 栄枯盛衰は世の常とはいえ、過去の栄光が輝かしいものであればあるほど、それが色あせたときのマイナスイメージも大きくなる。

 だが、かつて栄光を手にすることができたのは決して偶然などではなく、相応の能力を有していればこそ。プロ野球の世界では、その昔、野村克也監督が率いたヤクルトスワローズが、いわゆる「野村再生工場」として名を馳せたが、しばらく低調な結果に終わっていた選手がちょっとしたきっかけで再び力を発揮する可能性は当然ある。

 そして、時にそのきっかけとなるのが、移籍なのだろう。

 今季もまた、新たな復活劇が見られることを期待したい。

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