CMにも登場した人気者ブラジル人FW。親子2代で鹿島に所属 (3ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 日本で130試合80得点の通算成績を残したアルシンドは引退後、パラナ州のイグアスの滝近郊に住み、農場を経営。そのかたわら、地元の女子サッカーチームで監督を務めるなど、選手の育成にも力を注いでいる。

 そのアルシンドの名が、日本で久しぶりに聞かれたのは2011年のこと。アルシンドが鹿島に加入する直前の1993年1月に生まれた息子のイゴール・サルトーリが鹿島に加入した。翌年にはフラメンゴに移籍したものの、Jリーグで2試合に出場している。

◆日本のゴミ分別に苦しんだブラジル代表FW。柏でカレッカとコンビ>>

 東日本大震災の際も、アルシンドはジーコとともにいち早くカシマサッカースタジアムでのチャリティーマッチへの参加を表明。2019年も来日して鹿島OBによるサッカー教室を行なうなど、鹿島との縁は今も続いている。

「アルシンドニナッチャウヨ!」

 これはアデランスのCMでアルシンドが自身の薄毛を自虐ネタにしたフレーズだが、こうしたアルシンドの残した強烈なインパクトを振り返ると、ブラジルから日本にやってきたプレーヤーがアルシンドのようにピッチ内だけでなくピッチ外でも輝きを放つのはなかなかに難しい......ということでもある。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る