高校サッカー準決勝、山梨学院対帝京長岡の見どころは「プレス合戦」 (3ページ目)

  • 松尾祐希●取材・文 text by Matsuo Yuki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

◆山梨学院が「昌平対策」を実行。指揮官が明かしたその手の内とは?>>

 また、「チームのために体を張った守備や、鼓舞する声を出してくれている」と熊倉が絶大の信頼を置く左SB鈴木剛も今大会を通じて成長を遂げ、ボランチの谷口航大も球際の強さを生かしたボール奪取で中盤の守備を支えている。

山梨学院の攻守両面でチームのカギになる、DF一瀬大寿(写真中央)山梨学院の攻守両面でチームのカギになる、DF一瀬大寿(写真中央) 攻撃陣は、一芸を持った個性豊かな選手が揃う。FWの中心となる野田武瑠はスピードと技術を併せ持つ点取り屋。2列目の廣澤灯喜はドリブル、新井爽太は運動量とロングスローが持ち味。ベンチにも個性的な選手が控えており、技巧派レフティの笹沼航紀、一瞬の速さと体の強さが特徴の茂木秀人イファインはスタメンに名を連ねてもおかしくない実力者だ。

 丁寧なビルドアップでポゼッションするだけではなく、ハイプレスでボールを奪ってショートカウンターも狙える帝京長岡。前線からアグレッシブな守備を仕掛け、セットプレーと速攻でゴールを狙う山梨学院。

 技術では前者に分があるが、フィジカルでは後者が優る。異なる武器を持ちながら、似た戦術を組み合わせて戦う両者の戦いはどちらに軍配が上がるか。

 互いに相手の分析にも長けており、相手の特徴を消す術を持つ。実際に山梨学院の長谷川監督も「自分たちのやりたいこともある。だけど、相手に応じて自分たちの良さをコントロールできる引き出しがあるのが強み」と言い切り、帝京長岡の古沢徹監督も「(山梨学院は)前から推進力を持った選手がどんどん出てくるけど、我々は相手と同じことができるわけではない。アングルを取ってそのプレッシャーを利用して前に進む準備をしたい」と話す。

 強度の高い展開のなかでも選手の個性を引き出せる両チームだけに、序盤から激しい攻防が展開されるのは間違いない。選手たちのプレーに加え、この準決勝では両指揮官の駆け引きにも注目が集まる。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る