家長昭博にとって中村憲剛は「永遠に勝てないライバルだった」 (4ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 最後に改めて聞いてみたくなった。家長昭博にとって、中村憲剛とはどんな存在だったのか――。

「永遠に勝てないライバルじゃないですかね。勝てないけど、挑みたい。自分にとってはそんな存在でした。もう、勝つことはできないのかもしれないですけど、自分のなかではいちばん負けたくないと思える人でした。そう思いながら日々やってきたんです」

 そう言い終えたあと、「時が経つのってあっという間ですよね......」としみじみ答える家長の表情は、どこかさみしそうだった。

 だが、もう追い抜くことはできないのかもしれないが、並ぶチャンスはある。中村と共にピッチに立てる残りの試合で、家長にはそんなプレーを見せてもほしいと思った。

 それこそが、家長から中村に送れるラストメッセージになるはずだからだ。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る