三笘薫は新人選手初のMVP獲得の可能性。大卒Jリーガー「第7世代」がすごい (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 そして、あたかも日本初のプロリーグ誕生を待っていたかのようなタイミングで大学を卒業した、藤田俊哉、相馬直樹、名波浩、大岩剛、岡野雅行らが、翌1994年から続々とJリーグ入り。彼ら「第1世代」は、草創期のJリーグを盛り上げたばかりか、相馬、名波、岡野は日本が初出場した1998年ワールドカップでも活躍した。

 しかしながら、Jリーグ誕生をきっかけに、徐々に時代は変わり始める。高校の有望選手が(有望であればあるほど)大学を経由することなく、直接Jクラブ入りするケースが増えたのである。

 そんななか、再び大学サッカーに目を向けさせるきっかけとなったのが、1995年に福岡で開催されたユニバーシアードでの優勝だった。ユニバ初制覇を果たした彼らこそが、「第2世代」である。

 当時のメンバーである斉藤俊秀、望月重良、山田卓也、寺田周平らは、その後Jリーグで活躍したばかりか、日本代表にも選出。なかでも、斉藤は1998年のワールドカップメンバーに、望月は2000年のアジアカップ優勝メンバーに、それぞれ名を連ねている。

 続いてJリーグで活躍したのが、小野伸二ら、いわゆる"黄金世代"と同世代の選手たち。稀代のタレントたちの陰に隠れながらも、大学経由でJリーガーとなった選手たちである。

 2006年ワールドカップに出場した坪井慶介、巻誠一郎、2010年ワールドカップに出場した中村憲剛、オシム時代の日本代表で活躍した羽生直剛、浦和でAFCチャンピオンズリーグ制覇に貢献した平川忠亮など、「第3世代」には実績十分のメンバーが顔を揃える。

 当時は、ユニバーシアード優勝を目標に、大学サッカーが本格的に強化され始めた時代(日本は2001年、2003年、2005年大会と3連覇)でもあるのだが、そこから育ってきたのが、続く「第4世代」である。

 2010年のワールドカップメンバーとなった岩政大樹の他、ロンドン五輪でオーバーエイジとして活躍した徳永悠平や、2011年のアジアカップ優勝メンバーの藤本淳吾ら、ユニバで優勝を経験した選手たちが、さらに上のカテゴリーでも活躍している。

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