独自ランキングのJリーグ月間MVP。必見要素満載の鹿島のFWふたり (4ページ目)

  • photo by Sano Miki

優勝決定試合ハットトリックの家長こそMVPにふさわしい
原山裕平氏(サッカーライター)

1位 家長昭博(川崎フロンターレ)
2位 エヴェラウド(鹿島アントラーズ)
3位 長沢駿(ベガルタ仙台)
4位 上田綺世(鹿島アントラーズ)
5位 荒木隼人(サンフレッチェ広島)

 川崎の優勝決定試合となった、古巣のガンバ大阪戦で見せたパフォーマンスがすべてである。決して稼働率は高くなかったが、ケガを抱えながらもピッチに立ち、優勝を目前に停滞していたチームを勢いづけた。

 圧巻のハットトリックを達成し、川崎に三度目のタイトルをもたらした家長昭博こそ、11月の月間MVPにふさわしい。

 2位に推すエヴェラウドは、11月の5試合で4得点とゴールを量産。横浜FM戦では逆転劇への流れを生み出す同点弾を奪い、川崎戦でも優勝を阻止する一撃を見舞った。仙台戦では均衡を破る先制弾を決めるなど、ゴールの数だけでなく、勝負強さを高く評価した。11月は川崎を上回る3勝を挙げた鹿島において、この主砲の存在感は絶大だった。

 4位とした同じ鹿島の上田綺世も4ゴールをマーク。裏に抜け出し、巧みなトラップから右足を強振した横浜FM戦の一撃や、浦和戦での力強いミドルなど、印象的なゴールが多かった。今季は開幕から厳しい立場に置かれていたが、シーズン終盤にきて、圧巻のプレーを連発している。東京五輪世代のストライカーが、いよいよ覚醒の予感を漂わせている。

 17試合未勝利と泥沼にはまっていた仙台の救世主となったのは、長沢駿だ。27節のG大阪戦で、古巣相手にハットトリックを達成し、チームに18試合ぶりの勝利をもたらすと、つづくFC東京戦でもゴールを奪い、勝点1の確保に貢献。

 敗れたとはいえ鹿島戦でも意地の一撃を見舞い、鳥栖戦ではスコアレスで迎えた78分に決勝ゴールを奪った。じつに6ゴールを荒稼ぎし、最下位に沈むチームに希望の光を灯している。

 11月を無敗で終えた(2勝4分)広島からも、ひとり選びたい。光ったのは3バックの中央に君臨する荒木隼人だ。なによりの強みは、地上戦、空中戦を問わない対人プレー。主に外国籍選手が担う相手のCFに対し、パワフルなプレーで応戦し、仕事をさせなかった。

 とりわけ数的不利に陥りながらもクリーンシートを演じたC大阪戦でのパフォーマンスは秀逸で、大卒2年目の24歳は、すでに広島のディフェンスリーダーとしての貫禄を漂わせている。

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