2020.12.05

独自ランキングのJリーグ月間MVP。必見要素満載の鹿島のFWふたり

  • photo by Sano Miki

エヴェラウドが圧巻のパフォーマンス
小宮良之氏(スポーツライター)

1位 エヴェラウド(鹿島アントラーズ)
2位 マテウス(名古屋グランパス)
3位 田中碧(川崎フロンターレ)
4位 キム・ジンヒョン(セレッソ大阪)
5位 ヤクブ・スウォビィク(ベガルタ仙台)

 エヴェラウドはセンターフォワード(CF)として、スケール感を漂わせている。突出した高さだけでなく、大きな体躯を生かしたポストプレーで起点となり、サイドに流れてボールを受けられる。総合力が高く、弱点がない。

 11月は4得点。クロスを呼び込み、叩きつけるプレーの強度と精度は群を抜いている。王者・川崎との一戦で、右クロスに対して相手ディフェンスをはじき飛ばすように飛び込み、豪快なヘディングでたたきつけ、GKに防がれるも、そのこぼれを押し込んだ。これが貴重な同点弾になった。

 仙台戦では、右クロスにタイミングよくDFの前に入り、スタンディングで流し込んでいる。その後、パートナーの上田へラストパスを送り、得点のお膳立てをする気前のよさも見せた。浦和戦でも、左に流れたあと、絶妙なクロスで上田にアシスト。周りの選手とホットラインを確立している点も特筆に値する。最後は自ら裏に抜け出し、GKとの1対1でダメ押し点を叩き込んだ。

 マテウスは、湘南戦のスーパーゴールが際立った。敵陣でボールを奪ったあと、30m以上のロングシュート。左足のひと振りで、サッカーの面白さを伝えていた。名古屋はマッシモ・フィッカデンティ監督によって守備戦術が根付いたことで、アタッカーがその才覚をいかんなく発揮できるようになった。ブラジル人レフティーはその象徴だ。FC東京戦での決勝点のPKも、その突破からのシュートが契機になっている。

 田中は、戦術的にチームを動かす仕事の質が高い。彼がいることで、川崎の攻守のバランスが保たれていた。絶対的なボール技術とビジョンのおかげで、ダイレクトプレーで打開できるだけでなく、相手の攻撃もいち早く潰せる。11月、王者を決めた川崎は2試合負けているが、どちらも田中が先発を外れていた。

 キム・ジンヒョンは、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督がつくり上げた堅守の最後の砦となった。大分戦では決定的なシュートを片手でかきだし、世界標準のパワーを見せた。横浜FC戦もFKから絶体絶命のシーンを右手一本で救っている。

 スウォビィクは今季不振の仙台にあって(11月は2勝3敗1分と健闘)、チームを救うセービングを連発した。パワーがあるだけでなく俊敏で、GKとしてオールマイティ。勝ち点を稼げる守護神であることを証明した。