ソフトバンクに続くか。J1昇格目前のアビスパ福岡に求められること (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 2016年にJ1昇格を果たしながら、わずか1年で再降格となった福岡は、J2でも2017年から4、7位と徐々に成績を落とし、昨季に至ってはJ3降格すら危ぶまれる16位に沈んでいた。

 だが今季、長谷部監督が新たに就任すると、DFエミル・サロモンソン、DFドウグラス・グローリ、MF前寛之、MF重廣卓也、MF福満隆貴、FW遠野大弥、FWフアンマ・デルガドらが加わり、チームの顔ぶれは一新。

 昨季、それまでふた桁順位が当たり前だった水戸ホーリーホックを昇格争い(最終順位は7位)をするまでに引き上げた新指揮官は、福岡でもハードワークを土台に、組織的な攻守を繰り返すサッカーを浸透させ、チームを大きく変貌させた。

 今季の福岡は、シーズン序盤こそ第11節から3連敗を喫するなど、一時は17位まで順位を落としたが、徐々に戦い方が確立されると、第17節からは怒涛の12連勝。第24節で2位に浮上して以降は、J1自動昇格圏内である2位以上をキープし続けてきた。

 さらには、シーズン途中にもMF松本泰志、FW山岸ら新戦力で補強。5シーズンぶりのJ1昇格へ向け、磐石の態勢でラストスパートに入ったはずだった。

 ところが、11月に入ると、意に反して3勝2敗2分けと勝ち点が伸びず、東京V戦でも相手の8本を上回るシュート11本を放ちながら、結果は引き分け。先制を許したことを考えれば、よく追いついたとも言えるが、「あと数試合で順位が決まるという意味では勝ちたかったゲーム」(長谷部監督)である。それまでの勢いに、少しずつ陰りが見え始めているというのが現状だ。

 とはいえ、試合内容に関していえば、それほど悲観するようなものではなかったことも事実である。

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