活動休止明けの柏が見せた前向きな姿勢「モチベーションを保つ」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

 大黒柱のクリスティアーノが精彩を欠くなか、途中からピッチに立った神谷優太と瀬川祐輔が果敢な仕掛けで相手を押し込み、同じく交代出場の呉屋大翔がゴールに迫る力強いプレーを見せた。いずれの選手もここまでレギュラーの座を確保できていないが、この苦境下で自身のストロングポイントをアピールし、存在感を放ったのは残り試合に向けての収穫だろう。

 ボランチとしてフル出場した三原雅俊は「苦しいなかで、できるかぎりの準備をしてきた。気持ちは見せられた」と、前を向く。

「少しパスがずれたり、リアクションの部分で遅れてしまったり、それは久々のゲームなので当たり前のことだと思います。もちろん難しさは感じましたけど、みんな何十年もサッカーやっているので、それくらいでプレーができなくなるのではダメ。もっとできることがあったんじゃないかなと思います」

 この日の敗戦で、今季10敗目。優勝はもちろん、ACL出場権の獲得も難しくなっている。得点ランキング首位のオルンガの存在が大きな話題を振りまく一方で、J1復帰イヤーでの躍進を狙った柏にとっては、納得のいかないシーズンとなっている。

 しかし、年明けにルヴァンカップ決勝が控えており、モチベーションを保つことができるのは幸いだろう。三原の前向きな見解も、残りのシーズンにいい影響を与えるはずだ。コロナ騒動のダメージは決して小さくなかったが、この試練を乗り越えた先に歓喜の瞬間が待ち受けることを願う。

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