「自分で選んだ道を信じる」19歳。斉藤光毅が海外移籍を決断した理由 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • ヤナガワゴーッ!●撮影 photo by Yanagawa Go

「初めての刺激もあると思うので、いろんな部分で学びたい。海外に出て、いろんな経験をして(日本に)還元するのも大事」

 海外移籍を前にして、そう語る斉藤だが、周囲の盛り上がりをよそに、不思議と肩に力が入った様子は見られない。それは移籍が正式に決まり、オンラインでの発表会見を終えてもなお、変わることがなかった。

 そこには、プレーする舞台が変わろうとも「自分がやるべきことは変わらない」との強い思いがあるからだ。

「これから海外に出て、そこでやるプレーと、こっちでやっているプレーを変えちゃダメだと思っている。どこにいても、どんな環境でも、常に自分のプレーを出せるように。それも経験だと思うので、そうしていければいいかなと思う」

 当然「日本では味わえない壁も出てくると思う」。そんな覚悟はできている。

 例えば、ベルギーリーグに多いアフリカ人選手特有のリーチの違い。日本でプレーしていれば、絶対に出てこないようなところから、相手DFの長い足が伸びてくることもあるだろう。本人曰く、「そういう違いに(日本人選手が)手こずるみたいなことを結構聞く」。

 だが、「それも行かなきゃわからないこと。そういう部分も楽しみに思っている」。不安要素になりかねないことにすら、むしろ今はワクワク感を覚えている。

「そうなったときに自分で考えて、自分で乗り越えられるように。常に自分にベクトルを向けながらやっていければ、いろんな場面で生きてくる。そういう部分でも、海外へ行ったら成長できるのかなと思う」

 とはいえ、この年齢での海外移籍にデメリットがないわけではない。

 そのひとつが、年代別代表との兼ね合いだろう。

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