歴代J2得点王の実力を比べてみた。最もステップアップしたのは誰か? (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 もちろん、それはジュニーニョとパウリーニョにもいえる。J1での活躍ぶりはもちろんのこと、彼らがJ2得点王に輝いたことがチームの昇格につながったことは疑いようのない事実だ。

 佐藤、香川、ハーフナー・マイク、豊田と、2011年まで4年続いた日本人得点王の時代も含め、2000年以降ではチーム成績が5位に終わった2006年のボルジェスを除き、勝利の方程式は2012年にJ1昇格を果たしたヴァンフォーレ甲府のダヴィまで続いた。

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 7年ぶりにその方程式が途切れた2013年にJ2得点王に輝いたのは、ジェフユナイテッド千葉のケンペス。以降、勝利の方程式が成立したのは、2015年のジェイ(ジュビロ磐田)、2016年の鄭大世(清水エスパルス)のみ。2018年の大前を含め、2017年のイバ(横浜FC)、2019年のレオナルド(アルビレックス新潟)が得点王を獲得したシーズンに、所属チームの昇格は叶っていない。

 残念ながらケンペスは2016年11月28日に当時所属していたシャペコエンセ(ブラジル)で飛行機事故に遭い、他界してしまうという悲劇に見舞われたが、J2得点王たちはそれぞれ他クラブに移籍しても結果を残している。

 ジェイは札幌、鄭大世は新潟、イバは大宮。そしてJ3ガイナーレ鳥取→J2新潟→J1浦和とステップアップしていったレオナルドは、今季もゴールを量産してJ1でも通用することを証明している。

 果たして、佳境を迎えた今シーズンのJ2得点王に輝くのは誰になるのか?

 目下J2得点王ランキングでトップを快走しているのは、京都のピーター・ウタカ。2015年にJ1清水に加入し、2016年には広島でJ1得点王に輝いたほか、FC東京(J1)、徳島(J2)、甲府(J2)でも活躍したお馴染みの元ナイジェリア代表ストライカーである。

 4年ぶりに勝利の方程式が成立するのかも含め、2枠を競い合う今後のJ1昇格バトルの行方に注目が集まる。

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