Jリーグ月間MVP独自ランキング。三笘薫はルーキーの枠に収まらない (4ページ目)

  • photo by Sano Miki

井手口陽介はG大阪の上位進出の立役者
原山裕平氏(サッカーライター)

1位 井手口陽介(ガンバ大阪)
2位 三笘薫(川崎フロンターレ)
3位 マテウス(名古屋グランパス)
4位 江坂任(柏レイソル)
5位 中村憲剛(川崎フロンターレ)

 5戦全勝の川崎より試合数がふたつ多かったとはいえ、10月に最多勝点を獲得したガンバ大阪からMVPを選びたい。

 6勝1分と無敗で乗り切り、上位進出の立役者となったのは井手口陽介だろう。10月の7試合すべてにフル出場し、25節の札幌戦ではゴールも決めている。豊富な運動量と人に対する強さを示して、G大阪の中盤の守備を引き締めるとともに、質の高いミドルパスも連発する。

 ダイナミックなプレーが蘇り、攻守両面で躍動。指揮官の求めるスタイルをハイレベルに体現するダイナモが、ACL出場を目指すG大阪の命運を握っている。

 今季の最大の発見と言っていい三笘薫は、シーズン終盤に来てもプレーのクオリティが落ちることがない。10月の5試合では全試合で得点に絡む活躍を披露した。アンストッパブルなドリブルで敵陣を切り裂き、ゴール、アシストを連発する。不可欠な存在として川崎の攻撃をけん引するこの新人は、もはやルーキーの枠にはくくれないだろう。

 3位に浮上した名古屋では、マテウスの活躍が光った。堅い守りを武器とするチームにおいて、ブラジル人アタッカーの貢献度は絶大だ。鋭いドリブルと強烈な左足を武器に、ゴールを量産した。札幌戦ではGKが一歩も動けないほどの強烈な直接FKを叩き込み、ACL出場権を争う鹿島戦では1得点1PK奪取と、プレーの印象度も高かった。

 柏レイソルは今ひとつ波に乗り切れなかったものの、そのなかで気を吐いたのが江坂任だ。10月は6試合に出場し、4得点2アシスト。ヴィッセル神戸を撃破した2ゴールや、ルヴァンカップ決勝の前哨戦となったFC東京戦での先制ゴールと、重要な場面で結果を出してチームをけん引した。ゴールを量産しつづけるオルンガの陰に隠れがちだが、柏の攻撃のカギを握るのは、10番を背負うこの男だろう。

 中村憲剛は決して功労賞的な意味合いで選出したわけではない。10月は5試合中3試合にスタメン出場。名古屋戦では2アシストを決め、FC東京戦では40歳の誕生日を祝う決勝ゴールを決めた。この2試合の勝利が中村の活躍なくしてあり得なかったことを考えれば、十分に評価に値するものだ。そのプレーを見ればまだまだ活躍できるはずであり、引退が惜しまれる。

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