「監督3年周期説」の信憑性を探る。長期政権のあとの監督はついらいよ... (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 しかし、こうした事例――前任者の"遺産"を生かして強化する――のほうが、明らかにレアケースだ。

 もちろん、ひとりの監督に4年以上指揮を託すことが、一概に悪いとは言い切れない。同じコンセプトの下、長期的に安定したチーム作りが進められるメリットは、当然ある。少なくとも、毎年コロコロと監督が変わるよりは、ずっといいだろう。

 ただし、ひとりの監督の手でひとつの色に染められたチームは、別の監督がそのまま継承しようとして、そう簡単にできるものではない。さりとて、別の色に染め変えることなど、もっと難しく、時間もかかる。

 いわば、長期政権は諸刃の剣。そうした過去の事例が積み重なった結果、理想的な監督在任期間は、「3年」をひとつの目安として収束していったのではないだろうか。

 監督3年周期説――。不思議とその信憑性が裏付けられる、今季J2の監督解任劇である。

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